プロセスマップ

BP CONSULTING CASE

メディカル・ライフサイエンス製品の
輸入販売プロセス変革

AS-IS から TO-BE への転換

①BPコンサルティングの使命:ビジネス価値の最大化

BP(ビジネスプロセス)コンサルティングの核心的な使命は、単なる業務の可視化に留まりません。断片化された「AS-IS(現状)」を徹底的に分析し、企業の競争優位性を決定づける「TO-BE(あるべき姿)」へと再構築することで、ビジネス価値を最大化することにあります。

特に厳格な規制と品質管理が求められるメディカル・ライフサイエンス業界において、プロセスの不透明さは直接的な経営リスクに直結します。SAP Signavio を用いた BPMN 2.0 によるモデリングは、単なる静的なフローチャートではなく、システム構成の設計図となる「実行可能(Executable)」なモデルを提供します。

②現状の課題(AS-IS):レガシープロセスの限界

現状の課題(AS-IS)ビジネスへの影響・リスク
断片化されたシステム環境
スタンドアロンERPやスプレッドシートによる個別管理
情報の分断(サイロ化)が発生し、迅速な意思決定を阻害。データの整合性維持に多大なコストを要する。
通関業務における過度な手入力
書類作成やシステム入力が手作業中心
ヒューマンエラーによる申告ミスの増大。通関遅延に伴うリードタイムの長期化と追加コストの発生。
リアルタイムな在庫可視化の欠如
拠点ごとの在庫状況が即座に把握できない
在庫過不足による機会損失、または過剰在庫によるキャッシュフローの悪化。
手動の品質検査プロセス
検査記録やステータス管理が属人的
コンプライアンス・リスクの増大。品質不良品の流出リスクが潜在し、企業の信頼性を損なう恐れ。
AS-ISプロセスマップ:メディカル・ライフサイエンス製品の輸入販売プロセス
図1.AS-IS(現状)プロセスマップ

③次世代の標準(TO-BE):SAP S/4HANAによる統合プロセス

次世代の「TO-BE」プロセスでは、SAP S/4HANA(プライベートクラウド版)を核としたデジタル・プラットフォームを構築し、メディカル・ライフサイエンス製品のサプライチェーン全体を最適化します。

TO-BEプロセスマップ:SAP S/4HANAによる統合プロセス(STEP1〜STEP6)
図2.TO-BE(あるべき姿)プロセスマップ

メディカル・ライフサイエンス製品輸入販売プロセスマップ(簡易図)

部門=横のレーン/丸数字=処理の順序
海外
サプライヤ
開始
1発注ME21N
2出荷通知(ASN)事前出荷通知
輸入部門へ引き継ぎ
輸入部門
3輸入申告/関税納付GTS
┈┈(④通関業者を経由)┈┈▶
5入庫通知EWM
通関業者へ引き継ぎ(申告後)/完了後は品質保証部門へ
通関業者
4輸入通関GTS
品質保証部門へ引き継ぎ
品質保証
部門
6品質検査QE51N
7
合格 → 倉庫へ
不合格 → 差戻し
合格品のみ倉庫(EWM)へ引き継ぎ
倉庫
(EWM)
8在庫受入EWM
9在庫登録MIGO
10入庫EWM
11保管EWM
12ピッキングEWM
┈┈(販売部門の出荷指示を受けて)┈┈▶
16出荷EWM
受注が入り次第、販売部門が起動
販売部門
13受注VA01
14信用管理FSCM
15出荷指示EWM
出荷完了後、財務部門へ引き継ぎ
財務部門
17請求VF01
18入金消込F-28
終了
開始イベント 終了イベント ゲートウェイ(分岐) ①②…=処理の順序(プロセス全体を通した通し番号)

中核となるモジュール連携

MM(調達・在庫)& GTS(貿易管理)

海外ベンダへの発注からリアルタイムな通関処理までをシームレスに統合します。

EWM(拡張倉庫管理)

高度な倉庫制御により、製品特性に応じた厳格な在庫管理と保管を実現します。

SD(販売管理)& FI(財務会計)

受注から請求、入金消込までを一気通貫で管理し、キャッシュフローの透明性を高めます。

活用する先進技術基盤

SAP Fiori

直感的なUI(ユーザーインターフェース)を提供し、現場の操作ミスを低減。

API Management & RPA

外部システムとの自動連携、およびルーチンワークの自動化を推進。

SAP Build

承認ワークフローなどのビジネスロジックを迅速に実装。

SAP Analytics Cloud

収集されたデータを「分析・可視化」し、リアルタイムな経営判断を強力にサポート。

④変革のプロセス:BPMN 2.0による可視化と構築

SAP Signavio Process Managerを活用し、プロジェクト「メディカル・ライフサイエンス製品輸入販売プロセス(SAP S/4HANA)」を以下の6つのステップで段階的にモデリング・構築します。

プロセス名主なアクション
1導入SAP S/4HANAの最新機能を前提に、輸入販売プロセスの「実行可能(Executable)」なBPMN 2.0モデルを新規作成。
2通関海外ベンダへの発注(ME21N)、ASN(出荷事前通知)受領、輸入通関(GTS連携)、品質検査(QE51N)までのプロセスをモデル化。
3在庫SAP S/4HANA EWMを活用した入庫通知、在庫受入、およびMIGOによる在庫登録・保管プロセスを追加。
4販売受注(VA01)、FSCMによる信用管理、出荷指示(EWM)、ピッキング、出荷、請求(VF01)、入金消込(F-28)までの販売・財務プロセスを統合。
5システム連携サプライヤポータル、税関(NACCS)、物流業者システム、顧客ポータルとのAPI連携やRPA、SAP Buildによるワークフロー設定をプロセスに反映。
6検証全体プロセスの整合性を検証し、シミュレーションにより業務改善効果を確認。

⑤数値で見る変革の効果(シミュレーション結果)

「TO-BE」プロセスの導入により、以下の劇的なパフォーマンス向上が見込まれます。

スピード:リードタイム
25%削減
APIによるASN(出荷事前通知)の自動受領と、GTS連携によるリアルタイム通関処理が貨物引き取りまでの待機時間を大幅に短縮するため。
資本:在庫回転率
18%向上
EWM(拡張倉庫管理)による高度な在庫制御と、リアルタイムな在庫可視化により、過剰在庫を抑制し適正な在庫運用が可能になるため。
効率:手作業工数
30%削減
RPAによる自動処理およびAPI連携、SAP Fioriの直感的な操作性により、従来の二重入力や単純な確認作業が排除されるため。
セキュリティ:コンプライアンスリスク
大幅低減
QE51Nによる品質検査のシステム制御と、FSCMによる厳格な信用管理、貿易管理の自動化により、人的ミスに起因する法令違反や不正出荷リスクを最小化。

⑥SAP Signavio × SAP S/4HANAが実現する業務改革

BPMコンサルティングは「業務を見える化する」だけではありません。業務改善を定量的な成果へ結び付けることが最大の目的です。以下に、導入効果・Before/After・システム構成図・コンサルティングサービス内容を1枚にまとめました。

SAP Signavio × SAP S/4HANAが実現する業務改革:導入効果・Before/After・システム構成図
図3.導入効果とシステム構成のまとめ

⑦透明性がもたらす持続可能な成長

SAP Signavioなどのツールを用いたBPMN 2.0によるプロセス・モデリングは、単なる図解ではありません。それは業務の「透明性(Transparency)」を確保し、組織全体で「標準化」されたベストプラクティスを共有し、即座にシステムへと反映可能な「実行モデル」を構築することを意味します。

厳格な品質基準と迅速な供給が求められるメディカル・ライフサイエンス製品において、プロセスがデジタルに統合され、可視化されていることは、それ自体が強力な競争優位性となります。BPコンサルティングは、この変革の道のりを技術と戦略の両面からサポートし、お客様が確かなデータの裏付けを持って未来への投資判断を下せる環境を提供します。真の変革は、プロセスの実行可能な可視化から始まります。
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